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3/12(木) 講演レポート「スマートフォンによる参加型環境センシング」

先週の組込みセキュリティ&セーフティフォーラムのレポート、二つ目です。

「スマートフォンによる参加型環境センシング ~放射線モニタリングの事例紹介~」
ヤグチ電子工業株式会社 取締役CTO 石垣陽氏

ヤグチ電子さん、私は全く知らなかったのですが、新製品開発の方法としても、社会に役立つ技術を提供する姿勢としても、また世界に波及する利用者の和としても、非常に面白い講演でした。30分という短い時間で、もっと詳しく聞けたらと残念で仕方なかったです。

この講演では、東日本大震災で発生した福島第一原子力発電所の事故を受けて、放射線を計測できる線量計(ガイガーカウンター)の需要が急激に高まる一方、供給は全く追いつかない状況で、一般向けに新製品を出したヤグチ電子さんがどのように開発を進め、販売し、利用者からデータを集め、改善に活かしというループを実現したかが語られました。放射線やセンサーに関する知識があるとないとでは、この講演の理解度が大きく変わると思うので、別の機会にぜひまた詳しいお話を聞いてみたいです。

東日本大震災が起こるまで線量計はほぼ専門の研究者が使うもので、一般消費者が欲しがるモノではありませんでした。原子力発電所の事故により生活への影響が懸念され、ごく普通の人々が必要性を感じ、入手を試みたそうです。しかし、もちろん製造は追いつかず、また海外から輸入された粗悪な品(まともに計測できない)の流通により、線量計に対する悪いイメージまで氾濫したそうです。

スピーカーの石垣さんは、環境災害は起こる前提で物事を考えていかねばならない。福島の事故から分かってきたことは、測定し(正しいデータを集め)、それを専門家らと共有し、知識を得た上で地域住民と専門家らが議論し理解を深める場を持つことだとおっしゃっていました。

ヤグチ電子さんは、ポケットガイガーというとても小さい線量計を発売されました。始まりはフリスク(粒状ミント)の箱と10円玉を使っていて、これはすぐに供給でき加工の手間を省ける点で採用されたそうです。箱の内部に入れる計測装置の部分を提供することで、一般の方が自分の身近にあるもので何とか出来る状態を作りだしたことになります。(現在はフリスクではなく筐体ごと販売されています。)

スマートフォンとつなげて測定し、結果をウェブ(Facebookグループもあるそうです)にアップしたり、またオンラインアップデートすると機能が増えることもあるという、線量計のようなハードウェアとしてはまさに画期的な製品とのことです。

この製品は、最初にフリスクを使った段階でクラシエから快諾されたり、キックスターターというクラウドファンディングのウェブサイトを通じて資金を集め、それを見たオランダから国の試験機関で性能検査をしましょうというオファーが入ったり、製品の周辺にも興味深い出来事がたくさん起こっています。

現在も利用者(ユーザー)がFacebookグループを通じてデータを共有し、専門家らとやり取りし、参加型開発が継続しているそうで、これからの発展が見えるような気がしました。

ぜひ皆さんも一度ポケットガイガーのウェブサイトをご覧になってみてください。

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