« SEC特別セミナー「IoT時代のソフトウェアエンジニアリングとビジネスイノベーション」 対談レポート前編 | トップページ | 2/20、ロンバック博士の講演レポート「将来のイノベーションを実現するためのスマート・エコシステム」 »

SEC特別セミナー「IoT時代のソフトウェアエンジニアリングとビジネスイノベーション」 対談レポート後編

対談のレポート後編です。

【SEC特別セミナー】 IoT時代のソフトウェアエンジニアリングとビジネスイノベーション

10:30~12:00  SEC journal 公開対談>
IESE所長 ディーター・ロンバック博士 / IPA理事 立石譲二氏

Q. つながるITの時代。次は何につながるのか見えていない。デザイン、上流工程がますます難しくなっている。訓練を受けたオペレーターからマニュアルさえ見ない一般消費者へと使う人が移っている。システムズエンジニアリングがさらに重要になっているということ。課題は、様々なサブシステムのデザイナーが big pictureを共有しなければならないということ。キーワードは、interoperability、standarnization、model based designなどが挙げられるかと思うが、研究所ではどのようなアプローチをしているか。

A.
フラウンホーファー研究所での research challengesについて説明する。
アプリケーションの使い方が変われば、研究する側のトピックも変わる。複雑なシステムの設計、例えば私はNASAのサテライトシステムに携わったことがあるが、システムを構築することだけはできる。
インテグレーションについて、IESEで注目している6つのこと。
1. 複雑性、complexity
システムの複雑性は、ものすごい勢い、爆発的に増している。ここで重要なのがアーキテクチャで、モデルベースデザイン、モデルなしでは進められない。
2. コンテキスト、不確実性
コンテキストに関するデータをセンサーで集めることで、ランタイムを変えることなく(ダウンタイムなしに)システムの構成を変えられる。
3. セキュリティとセーフティ
これまで別々に扱われてきた問題、それぞれで認証していたものが、統合されてきたことで両方扱わねばならなくなった。
4. 多様性、diversity
一つの同じヘテロジニアスなシステムでは成り立たなくなってきた。システムズエンジニアリングにおいては、ステークホルダーも多く、言語も様々(自然言語のこと)。標準化なくしては、interoperabilityを実現できない。
5. スマートデータの活用
スマートデータの背後にはビッグデータがあるが、IESEではビッグデータとは言わずスマートデータと言っている。目標を設定し、それに基づいて評価する。ビッグデータは将来、企業の資本になる。コンテキストに基づいたデータを考える。メリットも、プライバシーも考えねばならない。
6. ユーザー体験、UX
スマートエコシステムを使う全てのオペレーターが、訓練を受けていないことを考える。ユーザー体験を重視する必要がある。

IESEでは、システムの統合によって生まれる課題を研究している。

Q. 人材の育成について。日本では不足しているが、ドイツではどうか。育成に力を入れている政策はあるか。

A.
lack of skilled engineering
人材の意味では日本もドイツも同じ。よく似た人口動態を持つ国における状況はそれほど変わらないだろう。ドイツでは三つの取り組みをしている(考えられる)。
1. 大学における re-educate
ソフトウェア、ハードウェアをそれぞれ深堀りするのではなく、システムズエンジニアリングの科を持てるように。ジョン・ディア社(ヨーロッパで有名な農機具メーカー、鹿のロゴで知られる)やダイムラーなど、産業を想定した修士クラスがある。あまりにもシステムの複雑性が増しているので、ソフト、ハードを個別に考えても足りない。
2. エンジニアへの再教育
新しい学生への教育だけでは足りないので(彼らの育ちを待っていられない)、民間企業のエンジニアが参加するシステムのエンジニアリングのコース(2年)がある。これまでハード、ソフトを個別にみてきた人、システム全体をやってこなかった人がシステムを考えねばならないが、トレーニングがなかったことを補うもの
3. 技術を持つ外国人の移民を受け入れる
これは微妙な問題をはらむが、日本やドイツにとって中国の工学系の大学卒業生数は無視できない数字になっている。

会場からの質問

Q. 第3の波とインダストリ4.0の違いは?

A. インテリジェンスのあるなし。第3の波はマシンとマシンのコミュニケーション、データ交換。そこにインテリジェンスはない。

Q. 人材育成、大学より若い小中高レベルの取り組みは?

A.
大学からでは遅い。既に一定の考え方が出来上がっているので。ドイツでもエンジニアリングの世界には女性が少ないことが大きな問題になっている。
また、コンピューターサイエンスに対して思い描くイメージが間違っている(30年前の姿)ことが問題。若い世代を教育することで(コンピューターサイエンスやエンジニアリングについて知らせることで)、どんな仕事があるかという考えを持てるようになっていく。メカニカル、エレクトリカル、どちらかを選ぶのではなく、システムズエンジニアリングでは統合して考える必要があり、コンピューターの前にじっと座ってプログラミングをするイメージではなく、自動車やエネルギーなど他産業と渡り合って、システム全体を構築する仕事であるというように考えを変える必要がある。

|

« SEC特別セミナー「IoT時代のソフトウェアエンジニアリングとビジネスイノベーション」 対談レポート前編 | トップページ | 2/20、ロンバック博士の講演レポート「将来のイノベーションを実現するためのスマート・エコシステム」 »

講演・セミナー」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/98967/59055345

この記事へのトラックバック一覧です: SEC特別セミナー「IoT時代のソフトウェアエンジニアリングとビジネスイノベーション」 対談レポート後編:

« SEC特別セミナー「IoT時代のソフトウェアエンジニアリングとビジネスイノベーション」 対談レポート前編 | トップページ | 2/20、ロンバック博士の講演レポート「将来のイノベーションを実現するためのスマート・エコシステム」 »