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2015年2月

2/20、ロンバック博士の講演レポート「将来のイノベーションを実現するためのスマート・エコシステム」

IPA/SEC特別セミナーのレポートの続きです。午後最初はロンバック博士の講演でした。

2/20(金) 13:05~14:30 "Smart Ecosystems: An Enabler for Future Innovations"
将来のイノベーションを実現するためのスマート・エコシステム

スライドに書かれていたアジェンダ
AGENDA

  • Applied Research: The Fraunhofer-Gesellschaft
  • On the way to the Digital Society 2.0
  • Challenges for Software and Systems

新しい経済のトレンド、複雑なシステム、新しいビジネスモデルが生まれた。
今日は、スマートエコシステムと、IoT、IoS、ビッグデータがどうつながるのか、新たなシステムにとって何が課題となるのかについて話したい。

AGENDA 1
- Applied Research: The Fraunhofer-Gesellschaft
フラウンホーファー研究所について、その成り立ちや研究内容
フラウンホーファーは太陽光スペクトラム中の"フラウンホーファー線"を発見した科学者。顕微鏡(テレスコープ)の発明者などとして知られる。

フラウンホーファー研究所は、ヨーロッパ最大の応用研究組織で、ドイツ内に約70の機関を持ち、23,000人の従業員が居る(大半は研究者)。第二次世界大戦後の復興を産業界から手助けすることを目的として、1949年に設立された。全業界の技術を研究し、産業界に技術移転することが使命。
20億ユーロの総予算の2/3が、ヨーロッパ各国のプロジェクトや業界から請け負う研究など。世界中に支所、センター、広報機関などを有する。アジアにはまだ大きなセンターがない。

研究分野は多岐に渡る。 Health and Environment / Communication and Information / Energy and Resources / Safety and Secutiry / Production and Services / Mobility and Transportation

IESE(イエゼ)について: Fraunhofer Institute for Experimental Software Engineering
実験的ソフトウェア工学研究所
1996年に設立。ロンバック博士は設立時からずっと所長を務める。フラウンホーファー研究所の中で、フラッグシップの位置づけ。200人強の従業員が、企業とソフトウェアを活用した製品やサービスで協業している。特に自動車、航空、医療、エネルギーの分野。モノ(物理)とデジタルの統合を研究しており、IoTやスマートエコシステムもそのうち。また、セーフティ、セキュリティ、モダナイズされたエンジニアリング、ビッグデータ解析等も実施している。

IESEは、産業界のためにソフトウェアによるイノベーションを起こしている。ソフトウェアにとって、クオリティは非常に重要。
Our Formula for Your Success
ENGINEERING + QUALITY => INNOVATION

IESEのコンピテンシー
- Scalable system engineering: 非常に巨大なシステムになっている。スケーラブルであることが重要。
- Guaranteed Quality: 実験的なソフトウェアエンジニアリング。テストし、検証してからリリースする。IESEで試験するだけでリスクを抑えられる。
上記二つから、Software-Enabled Innovations が導き出される。

スケーラブルにおけるコーナーストーンはアーキテクチャで、モデルベースの開発をしている。Qualityでは Safety、Sacutiryに加えて、UX(顧客体験)を大切にする。ES(Embeddedd System)/CPS(Cyber Physical System)と、IS(Information System)/Mobileが融合し、Smart Ecosystems。

エビデンスについて
ソフトウェアの分野で新しいかもしれないが、エンジニアリングではごく普通のこと。ソフトウェアを分析し、定量調査することで、エビデンスを作っている。

AGENDA 2
- On the way to the Digital Society 2.0

ドイツでは富士通、日立とも協力している。
まず、今私たちが居るデジタルソサエティ1.0のトレンドについて。様々なエレクトロニクスデバイスを使っているが、統合されていない状況。ワークフロー全体をサポートするように出来ていない。

(例) 博士の日々のスケジュールはスマートフォンに登録されている。ある日、ドイツのどこかに行かねばならないとして、いざ車に乗るとカーナビにはスマートフォンのスケジュールは自動で登録されておらず、わざわざ自分で行き先を入力して検索、設定しなければならない。
Integration as Driver for Business Life: Integration Evables Innovation!

例えば、自動車にセンサーが搭載され、走行中、右や左に行きすぎなど教えてくれる。あるいは出発から目的地まで全て自動で走行できる。サプライヤーからメーカーまでつながっている。プレシジョンファーミング。ビジネスの世界においても、ステップバイステップで本物の統合へもっていかねばならない。こうした統合が国境を越えて出来るように。

インターネットには三つのタイプがある。
- Internet of People
- Internet of Things
- Internet of Services(人もつながる。エレメントもデータも増えていく)
こうした世界がどの程度広がっているのか。効率を上げただけで留まっていてはいけない。将来の新しいビジネスモデルがなければ成り立たない。

IT Mega-Trend: Integration

今はDigital Society 1.0の時台で、Integrated Systems実験中。Digital Society 2.0、Smart Ecosystemsへの移行は革命的。米国のエコノミストであるリフキンの著作によれば、今やっているのは表面的なことにすぎず、日本のように高賃金の国はついていけなくなる、という見方が示されている。

A Trend across Domains
あらゆるものがスマートになる可能性がある。Farming, Health, Mobility, Energy, Industry 4.0, さらには Smart X。今は独占技術で成立しているものが、複雑な分散化によってあらゆるシステムからログインできる(つながる)ように。

Example: Smart Cars
現在は Closed Eco System、将来は Open Eco System。例えば自動車保険では率の最も良いところが生き残る。車から、ユーザーから情報を取ってこられる。いつ、どこで、どんな運転をするかで、利用できる保険も変わる。

Example: Smart Farming(ジョン・ディア社でやっている)
予防的故障回避。1年のうちに3ケ月だけ使う農機具があり、3ケ月の間に3日、故障で使えなければ非常に効率が悪い。こうしたことを事前に回避する。他に、農機具の動線をコントロールすることで燃料を効率良く使う。いつ肥料をやったかなどのデータをリアルタイムに蓄積していく。

The Forth Industrial Revolution
2011年に発表されたIndustry 4.0.
現代における四つの課題への対策を講じるために、ドイツが国を挙げて取り組んでいる。
Global competition / Resources shortages / Demographic changes / Urbanization

Industry 4.0では、全てのタイプの情報がつながる。お客様もサプライヤも。ソフトウェアがイノベーションと生産性向上の鍵となる。歴史上の産業革命には四つの段階があり、1.0は蒸気機関による機械化。2.0は電気による大量生産への移行。3.0はITによる自動化レベル。4.0はスマートエコシステム。Industry 4.0はリアルタイムで意思決定でき、リソースを最低限で済ませる。人も、機械も、モノも、ITシステムもネットワークでつながる。

デジタル化・自動化の飛躍的な伸びについて(Price Waterhouse Coopersの調査)
- Vertical Integrationは、コントロールのレベルを通貫する。
垂直統合で 2014年の20%から 2019年には80%にまで達する。
(財務・法~サービス~生産・物流~企画~R&D~販売)
Horizontal Integrationは、業種を超える。
水平統合で 2014年の24%から 2019年には86%まで。
(サプライヤ、エンタープライズ、カスタマー)

2025年の産業界のビジョン
一つのサプライヤとOEMではなく、よりダイナミックな関係が出来るだろう。バーチャルな組織を作り、オリンピックイヤーにビジネスをするなど。中小零細の部品企業でもスマートエコシステムの一部になれる。カスタマイゼーションでコストを下げ、インテリジェントアシスタンスで様々な仕事が簡単になる。さらに、無駄の少ない運用が出来る。

企業が Industry 4.0で期待できること

  • より良いプランニングやコントロール(生産や物流)
  • 高い顧客満足
  • 製品そのものの柔軟性が高まる
  • 市場へ供給するまでにかかる時間の凝縮
ドイツのスタンダードな産業(化学、自動車、機械、電気設備、農業など)で、2013年~2025年に+15~30%の成長率が予測されている。年 1~2%の成長は、デジタル化そのものによってだけもたらされる。

Industry 4.0における課題(Key Challenges)
集めたデータをコンテナに入れるだけでは何もならない。どのような状況で何に使うかが大事。10年前と同じことをやっていては、新しい会社の形に対応できない。
Standardisation(標準化)/Process/work organization/Product availability/New business models: 今までよりいいやり方ではなく、全く新しいビジネスモデルになる。/Security know-how protection: 他からのデータは欲しい、自分のデータは見せたくない。/Lack of specialist staff: 日独で人材の不足は同じ問題。など。

AGENDA 3
- Challenges for Software and Systems Engineering

2014年から2019年の5年間で、デジタル化の度合いは、50%も高まる。

Key Challenges for Software and Systems Engineering
スマートエコシステムの中での主要なリーダーはソフトウェアであり、ここでリーダーになりたければ、ソフトウェアがイネーブラーであることを認識すべき。将来の製品はさらにソフトウェアの割合が高まり、ソフト、ハードを問わず規定されていない関係が出てくる。

  • Complexity: 複雑性
    スマートエコシステムはこれまでにない複雑さを持つ。
  • Diversity: 多様性
    企業や業界を超えた多様なシステムやステークホルダーを統合どこかで停電してもサービスが動き続けねばならない。
  • Uncertainity: 不確実性
    不確実な環境、新しいコンセプトの中で、システムのre-configurationが出来ねばならない。ランタイム中にre-configurationが行われる。
  • Safety & Security: 安全性とセキュリティ
    まだ大きな課題を抱えている。定量化が簡単なものとそうでないものが混在している。
    Isolation of critical systems parts (例: "software cages")
    何か間違った挙動があった時に、他に影響しないように孤立させておく。まだ生産の現場では使われていない。もとはロボティクスからうまれた考えで、ロボットが人間を殺さないように、常にケージに収めておくこと。
  • Smart Usage of Big Data
    今はビッグデータで問題を解決できると期待している状態。ガートナーカーブでは昇り切る手間。いずれ失望の時がくる。コンテキストに基づいてデータがどう使われるべきか、使われないべきかを考える必要がある。

終わりに。
誰がスマートエコシステムの開発スピードを決めるのか。米国にはこれを根本から理解し、既にチャレンジを始めているGoogleのような企業がいくつもある。(Googleの自動運転の自動車はおもちゃではない、スマートエコシステムの 具現化への一歩というようなことを言っていました)
しかし、我々(ドイツや日本)はリーダーであらねば将来はない。ドイツには古くからエンジニアリング企業があるが、これでは成功できないことが分かってきた。そこでコンソーシアムを作り、Industy 4.0を進めている。Industry 4.0に向かわなければ雇用を創出できない。

ソフトウェアの役割がどんどん上がり、将来トップレベルになるだろう。我々は様々な技術を開発できるが、人的資源がなければ使えない。チャンスはたくさんあるが、能力がなければ大きなチャンスはものに出来ない。

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SEC特別セミナー「IoT時代のソフトウェアエンジニアリングとビジネスイノベーション」 対談レポート後編

対談のレポート後編です。

【SEC特別セミナー】 IoT時代のソフトウェアエンジニアリングとビジネスイノベーション

10:30~12:00  SEC journal 公開対談>
IESE所長 ディーター・ロンバック博士 / IPA理事 立石譲二氏

Q. つながるITの時代。次は何につながるのか見えていない。デザイン、上流工程がますます難しくなっている。訓練を受けたオペレーターからマニュアルさえ見ない一般消費者へと使う人が移っている。システムズエンジニアリングがさらに重要になっているということ。課題は、様々なサブシステムのデザイナーが big pictureを共有しなければならないということ。キーワードは、interoperability、standarnization、model based designなどが挙げられるかと思うが、研究所ではどのようなアプローチをしているか。

A.
フラウンホーファー研究所での research challengesについて説明する。
アプリケーションの使い方が変われば、研究する側のトピックも変わる。複雑なシステムの設計、例えば私はNASAのサテライトシステムに携わったことがあるが、システムを構築することだけはできる。
インテグレーションについて、IESEで注目している6つのこと。
1. 複雑性、complexity
システムの複雑性は、ものすごい勢い、爆発的に増している。ここで重要なのがアーキテクチャで、モデルベースデザイン、モデルなしでは進められない。
2. コンテキスト、不確実性
コンテキストに関するデータをセンサーで集めることで、ランタイムを変えることなく(ダウンタイムなしに)システムの構成を変えられる。
3. セキュリティとセーフティ
これまで別々に扱われてきた問題、それぞれで認証していたものが、統合されてきたことで両方扱わねばならなくなった。
4. 多様性、diversity
一つの同じヘテロジニアスなシステムでは成り立たなくなってきた。システムズエンジニアリングにおいては、ステークホルダーも多く、言語も様々(自然言語のこと)。標準化なくしては、interoperabilityを実現できない。
5. スマートデータの活用
スマートデータの背後にはビッグデータがあるが、IESEではビッグデータとは言わずスマートデータと言っている。目標を設定し、それに基づいて評価する。ビッグデータは将来、企業の資本になる。コンテキストに基づいたデータを考える。メリットも、プライバシーも考えねばならない。
6. ユーザー体験、UX
スマートエコシステムを使う全てのオペレーターが、訓練を受けていないことを考える。ユーザー体験を重視する必要がある。

IESEでは、システムの統合によって生まれる課題を研究している。

Q. 人材の育成について。日本では不足しているが、ドイツではどうか。育成に力を入れている政策はあるか。

A.
lack of skilled engineering
人材の意味では日本もドイツも同じ。よく似た人口動態を持つ国における状況はそれほど変わらないだろう。ドイツでは三つの取り組みをしている(考えられる)。
1. 大学における re-educate
ソフトウェア、ハードウェアをそれぞれ深堀りするのではなく、システムズエンジニアリングの科を持てるように。ジョン・ディア社(ヨーロッパで有名な農機具メーカー、鹿のロゴで知られる)やダイムラーなど、産業を想定した修士クラスがある。あまりにもシステムの複雑性が増しているので、ソフト、ハードを個別に考えても足りない。
2. エンジニアへの再教育
新しい学生への教育だけでは足りないので(彼らの育ちを待っていられない)、民間企業のエンジニアが参加するシステムのエンジニアリングのコース(2年)がある。これまでハード、ソフトを個別にみてきた人、システム全体をやってこなかった人がシステムを考えねばならないが、トレーニングがなかったことを補うもの
3. 技術を持つ外国人の移民を受け入れる
これは微妙な問題をはらむが、日本やドイツにとって中国の工学系の大学卒業生数は無視できない数字になっている。

会場からの質問

Q. 第3の波とインダストリ4.0の違いは?

A. インテリジェンスのあるなし。第3の波はマシンとマシンのコミュニケーション、データ交換。そこにインテリジェンスはない。

Q. 人材育成、大学より若い小中高レベルの取り組みは?

A.
大学からでは遅い。既に一定の考え方が出来上がっているので。ドイツでもエンジニアリングの世界には女性が少ないことが大きな問題になっている。
また、コンピューターサイエンスに対して思い描くイメージが間違っている(30年前の姿)ことが問題。若い世代を教育することで(コンピューターサイエンスやエンジニアリングについて知らせることで)、どんな仕事があるかという考えを持てるようになっていく。メカニカル、エレクトリカル、どちらかを選ぶのではなく、システムズエンジニアリングでは統合して考える必要があり、コンピューターの前にじっと座ってプログラミングをするイメージではなく、自動車やエネルギーなど他産業と渡り合って、システム全体を構築する仕事であるというように考えを変える必要がある。

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SEC特別セミナー「IoT時代のソフトウェアエンジニアリングとビジネスイノベーション」 対談レポート前編

先週の金曜日、青山テピアで開催されたIPA、SECの特別セミナーを聴講してきました。ドイツのフラウンホーファー研究所、IESE(イエゼ)の所長であるディーター・ロンバック博士の対談や講演です。

非常に長いレポートなので、3回に分けて書くことにしましたが、システムエンジニアリング、欧州のIndustry 4.0、スマートエコシステムなどに関心のある方には、IoT(Internet of Things)やIoS(Internet of Services)全体像をつかむのに良いかと思いましす。

【SEC特別セミナー】 IoT時代のソフトウェアエンジニアリングとビジネスイノベーション

10:30~12:00  SEC journal 公開対談
IESE所長 ディーター・ロンバック博士 / IPA理事 立石譲二氏

Q. IoTが取り上げられる背景、IoTの中で起こる本質的な改革の全体像が見えにくい。IoT時代の全体像(Big Picture)とは?

A.
IoTについては、それを見る人の経歴(Back Ground)がエンジニアリングなのか、ITなのかによって見方が異なるため、全体像の中での視点が違う。IESE(イエゼ)では様々な視点を分析していて、三つのレベルのシステム統合があると考えている。
最初は、組込みシステム(Embbedded System)と情報システム(Information System)は分かれて存在していて、問題も別だった。ESでは安全(セーフティ)、ISではセキュリティ。
次は、Systems of Embbedded System、Systems of Information System。組込みシステムのシステム、マシンとマシンとのやり取り。情報システムでも同じこと。データ交換は出来るがインテリジェンスはない。外部データを活用できない。
さらに進んで、ES側は Cyber Physical Systemになり、例えばトラックにセンサーが搭載されていて、ネットにつながることで、部品が近いうちに故障しそうなどというデータを取れるようになった。IS側は現実世界にRFIDをもってつながるようなEmergent Systemの段階。物理世界とITの世界が近づいた。

CPSと Emergent Systemが統合されて、スマートエコシステム。この移行が3番目のインテグレーションである。 エンベデッドと情報システムが同じレベルでやり取りする。
トラックの例を挙げれば、間もなく不具合を起こす部品をロジスティクス側でも把握し、ビジネスを止めることなく(ドライバーが休憩中に交換するなど)対応できる。
スマートエコシステムではデータが蓄積されるので、予測できるようになる。トラックがどういうルートで走行するかまでを見られるので、ドイツのどこに居る時に故障するかまで分かり、ではどこで部品を調達し、どこで交換すると 最も効率が良いかを判断できる。時間の無駄を出来る限り少なくできる。(loss of operation time)

第2のイノベーションではビジネスモデルは変わらず、効率が良くなった。
第3のイノベーションではビジネスモデルそのものが変わる。

インダストリ4.0では、ドイツで起こる仕事をドイツ国内で持ち続けることを意図している。国外へ流れないように。
IoTやIoS(Service)はプラットフォームを指し、出来れば標準化したい。スマートエコシステムはエンジンで、ビッグデータは燃料にあたる。経済が、製造が、仕事が大きく変わる。第2のインテグレーションはだんだんと変わっていったが、第3のイノベーションは大きく変わるレボリューションである。

Q. インダストリ4.0の出てきた背景には、舞台装置が整ってきたことがあるのでは。

A.
スマートエコシステムのようなビジョンを先に持たねばならない。そこを目指して改革が起こり、メリットがうまれる。投資をして、ビジョンへの到達を考えていく。

Q. アルビン・トフラーの「第3の波」には今起こっているような変化がいくつも書かれている。モノ同士がコンピュータの力で互いに話すような。「プロシューマー」、製造と消費者の明確な区分けがなくなり、ITが変革のドライバーになるとも。こうした状況を踏まえて、ソフトウェア・エンジニアリングと、最近着目されているシステムズ・エンジニアリングの関係、両者は補完的に発展していくものであると思うが、重要性や役割の変化についてどうか。

A.
スマートエコシステムの考えが生まれる前から、ソフトウェア・エンジニアリングやシステムズ・エンジニアリングの考えはあった。ソフトウェアがシステムの一部と考えるなら、システムズ・エンジニアリングの中にソフトウェア・エンジニアリングがあるともいえる。問題の根源はシステムズ・エンジニアリングではない。
システムアーキテクチャは、ハードもソフトも含むが、システムを構成する上で、ハードウェアの割合が大きかったこれまでは、アーキテクチャというとハードウェアのアーキテクチャを考えていることが多かった。しかし今は、ソフトウェアの割合がどんどん大きくなり、ソフトウェアこそがイネーブラーになっている。ハードウェアにソフトウェアを後付けするからこそ、問題が生じる。

システムズ・エンジニアリングと言った時、より抽象化された部分でのエンジニアリング、機能的領域を指す。ソフトウェア・エンジニアリングに長けている人たちは、モデリングや抽象化が得意だが、これがシステムズ・エンジニアリングに求められている。

ハードウェアやソフトウェア単体の要求(Requirement)ではなく、システムのRequirementについて話す。
IESEのコンピテンスをT字で表現するが、横棒はシステムへの広い理解、縦棒はソフトウェアの深い理解である。
今のシステムはあまりにも巨大(Huge)で、あまりにも複雑である。問題が大きくなって初めてシステムズエンジニアリングの重要性に気付く企業が多いが、10億行ものコードで成る膨大なシステムになってからでは遅すぎる。始まりの段階から全体を考えることが重要である。

対談の後編と、午後の講演のレポートもまた書きます。

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システムズエンジニアリング研究会(SERA)

あるシステムの実現を考える時、他のシステムと関連して動作することを考慮しなければならず、さらにどんな文脈で動作するのかを知らずに適切な働きをさせることは出来ないというように、システム全体の理解が必須となっています。こうした中でシステムズエンジニアリングへの取り組みを検討し始めた、あるいは活動を始めたという企業が増えていることを日々のお問合せや訪問から感じています。

チェンジビジョンでは astah* SysMLという製品を開発・販売していますが、システムズエンジニアリングに取り組もうとする際、必ずSysMLを使わなければならないということはありません。ただ、システムズエンジニアリングについて学ぶ、考える場合、SysMLは広く使われているモデリング言語(表記の仕方)なので、まずはこれを描いてみることが始めやすいのではないかとお話しています。

システムズエンジニアリングについて学んだり情報交換したりする場として、システムズエンジニアリング研究会(SERA)の活動があります。毎月一回、定例のミーティングが開催されていて、MBSEやSysMLについて参加者からの発表や技術的な意見交換がなされます。こちらはどなたでも無料で参加できますので、興味を持った方は一度参加されると良いかもしれません。

2月の定例ミーティングは実は今日(2月18日)の夜に開催されます。
第13回 システムズエンジニアリング研究会SERA定例会
このページでの募集は初めてなので申し込みが少ないように見えますが、実際はもっといらっしゃいますし、飛び込み参加も出来るそうです。

定例ミーティングの情報は研究会のFacebookページに掲載されますので、今後さらに注目が高まっていくと予想されるシステムズエンジニアリングについて知りたい方はどうぞチェックしてみてください。

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2/19-20、デブサミ2015

毎年恒例、デブサミの季節がやってきましたね。確か、私は4回目の2006年に初めて参加したように思いますが、雰囲気も参加者の層もずいぶん変わりました。今年も目黒の豪華な会場、雅叙園にて開催されます。パートナーのコンポーネントソース社がブースを出されるので、astahも展示があります!

ちょうど新しいことを始めようとしていますので、皆さんにお渡しするチラシもデブサミ用に新しく作りました。コンポーネントソース社のブースで「astahのチラシを」と一言お伝えください。

デブサミ2015
デブサミ2015ロゴ

クラウド、IoT、ビッグデータ、モバイルなど、注目のワードがずらりと並んだタイムテーブルで、既に満席や残席わずかのセッションも多数あります。

目黒駅からの急な坂道を降りて、ぐるりとまわると雅叙園があります。デブサミの時期は桃の節句のお飾りの時期でもありますので、ちょうどひな人形の展示があるようです。
百段雛まつり  瀬戸内ひな紀行

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